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ごあいさつ

岩尾 忠 理事長

 当病院は、1933年に岩尾医院として開院し、1971年に岩尾病院となりました。私どもは「良質かつ開かれた医療」を提供する理念のもと、内科的疾患を幅広く扱ってまいりました。
 しかしながら、昨今の社会的また医学的変化により地域住民の皆様のニーズもまた変化しております。内科と言う幅広い分野を網羅することは、これはこれとして重要な使命なのですが、いまひとつは、糖尿病や消化器疾患(肝臓病および胃腸病)を持つ患者さんに一歩踏み込んだ医療を提供することです。
 肝疾患については、大分県では肝疾患診療連携拠協力医療機関が12施設ありますが、当院は、唯一の個人病院として西部医療機関の一翼を担っています(下図参照)。2011年4月、現在、肝炎助成金をご利用されて、治療をお受けになった患者さんは、B型肝炎14名、C型肝炎72名です。肝癌発症が少なくなれば幸いです。また、内視鏡件数は年間概ね1000例を行っております。

 

 糖尿病に関しましては、父(2代目院長:岩尾 仁:糖尿病専門医)が傾注した流れを汲み、私どもも研鑚を行い、現在、年間60-80例の新規糖尿病患者さんが来院されています。驚くことに、血糖を厳格に管理しても、心筋梗塞などの心血管合併症やそれによる死亡が決して減少しないとの報告が2008年に相次いでアメリカの権威ある雑誌(The New England Journal of Medicine誌)に発表されました。それが、ACCORD試験およびADVANCE試験です。この試験結果が予想に反して悪かったのは、糖尿病治療薬による低血糖と体重増加が原因のようです。糖尿病治療も、新薬の登場により、大きく様変わりをしています。そこで、私どもは、インクレチンという薬剤を積極的に用いています。なぜなら、これらの薬剤には低血糖や体重増加の危険が少ないからです。よって、これらの薬剤を用いることにより、網膜症や腎症はもとより、心筋梗塞や脳卒中の発症を予防できる可能性があります。当院では、これらの科学的根拠に基づき、治療方針を大幅に変更しています。
 概ね、私の、院長職としての、やるべきことは一段落しました。当院の将来を思う時、今後は、若き血気溢れるリーダーがふさわしいと考慮し、この度、院長職を退くことを決意しました。今後は、理事長として、微力ながら、職責を全うする所存でございます。後任には2011年4月1日より、境 研二が第4代目院長として就任しました。私と同様、今後とも一層の御指導と御鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。

2011年5月9日
                             医療法人鶴陽会 岩尾病院
                                     理事長 岩尾 忠